街頭演説集

第215回 公園管理人制度の改革

公園の枯れ葉や雑草を堆肥化して、自然循環の確立を!

Facebook 2019.12.13

 去る12月10日は215回目の街頭演説。この日からいよいよコート着用となりました。テーマは、公園管理人制度です。

 呉市は、市内各所にある街区公園の簡易な管理を、最寄りの自治会に在住する公園管理人を立てて業務委託しています。業務内容としては、空き缶・空き瓶等のごみ収集や、落ち葉清掃、草刈り、車両乗り入れ防止ポールの鍵管理などです。管理業務委託費として、月額2,300円、これを6,900円ずつ、年4回に分けて指定口座に振り込んでいます。ということは年額どの公園も一律27,600円となります。
 但し、ここでトイレの有無で不公平が生じています。トイレが設置されている公園では、便器清掃、トイレットペーパーが切れると、市の土木維持課に連絡して補給してもらいます。特に便器清掃が労なので、私はトイレ設置の街区公園に対し、トイレ加算を付加するべきだと、去る10月の決算委員会で主張しました。

 次に、公園を自治会総出で定期的掃除する場合が多く見受けられます。その場合は、公園管理人を名義登録した上で、自治会口座に管理料を振り込んでいます。
 ここでも問題が生じます。個人への業務委託の場合は、その内容から源泉徴収の対象とはなりませんが、自治会にお金が振り込まれるとなると、本来課税されなければなりません。即ち、法人法施行令第5条により、自治会による請負業となりますので、自治会は法人税を税務署に申告する義務が生じるということです。ところが、それを申告(しんこく)するように指導したことは呉市は過去一切ありません。これは深刻(しんこく)な問題です。というか、土木維持課はそのことに気付いてすらいませんでした。
 去る決算委員会でこのことを私が指摘すると、市民税課は税務署に問い合わせた結果として、法人課税申告義務を初めて認めたのでした。但し、自治会の収支決算がトントン若しくは年間8%程度(1ヶ月分)以下の収益だと、法人税は法人税割しかないため課税されません。ところが、翌年度法人県・市民税が賦課されることとなり、こちらには損益に関わらず均等割が賦課されますので、各々2万円、5万円と、これに加え県税たる環境税が千円賦課され、合計年額7万1千円を納付することになる訳です。
 市長は、先般の嘱託職員に対する時間外手当未払いを労働基準監督署から指摘された際、「法令遵守を徹底させる」と決意表明されたのですから、この問題に対し、対策を早急に且つ真剣に検討すべきなのです。
 私としては、老人集会所の指定管理を地域縁故団体たる地区社会福祉協議会にお願いしていることと同様、過去、解決策を何度も提唱して来た経緯があります。それは、地方税法に基づき、呉市と広島県が共同して、各々税条例を改正し、自治会等の地域縁故団体が公益目的の収益事業を行う際は、法人県市民税の均等割を免除するというのものです。

 最後に、清掃業務で収集する散った花びらや枯れ葉、雑草の処理方法についてです。現在どの地区でもこれをボランティア袋に詰め、呉市業務課が回収します。因みにボランティア袋は、1回100枚まで呉市が無償提供しています。
 ところが、これは虹村にあるクリーンセンターくれに運ばれ、全て焼却されます。この搬入量は市内全域ですから半端ではありません。この焼却灰は、一般廃棄物の燃えるごみの焼却灰と一緒に、焼山にあるエコグローブくれに搬入され埋め立てられます。因みにこの一般廃棄物最終処分場は15年間で満杯になるよう設計されており、その後は新たな処分場を建設することになるのです。
 ということは、この寿命をできるだけ延伸させ、市民の血税負担を抑制する必要があります。その一手段として、公園で収集する自然廃棄物を公園の樹木の根っこのそばに埋める堆肥化です。そうすれば自然循環され、二酸化炭素排出も抑制できるのです。自然から排出されるものは、本来全て有用なのです。
 私が会長を務める自治会では、率先して今年度からこの手法を採用しました。昨年度までは桜の根っこには寒肥を撒いていたのです。ところが、新手法においてなかなか発酵しないことが判明しました。これは過去化学肥料を撒いていたことで、土中の微生物や昆虫が死に絶えた結果だと推察されます。つまり土中で自然循環の鎖が断たれているのです。これは化学肥料を駆使する慣行栽培農業でもそっくり同じことが言えます。
 今後は天然土壌改良剤を注入する必要があると考えます。もし呉市環境政策課がこれを政策誘導するのであれば、各自治会に対し、土壌改良剤購入費を支給することもできるでしょう。結果的にこの方が一般廃棄物処理に係る予算総額を縮小できますし、土壌が回復された後は、自然発酵して堆肥化されるので、改良剤は不要になると考えます。
 公園管理人の業務内容に、枯れ葉、草等の自然廃棄物の自然循環処理、即ち堆肥化を呉市はごみの減量化からも制度に組み入れるべきです。

 呉市は「循環型環境社会」を目指すと標榜していますが、これを積極的に施策誘導するようでないと、有言不実行と言われても仕方ないでしょう。私としてはこの問題に関し、自然共生の一環として今後も行政に訴えて参る所存です。

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