街頭演説集

第217回 指定ごみ袋の入札

指定ごみ袋の高額単価による独占受注をなくせ!

Facebook 2019.12.27

 去る12月23日は、217回目の街頭演説。久々に国会議員の演説と重なり、終了を待って挙行しました。テーマは、指定ごみ袋の入札についてです。

 呉市は、平成20年度に家庭ごみ収集において、有料指定袋と粗大ごみ用指定シールの導入に踏み切りました。3年毎に製造業者と契約を締結する手法で、来年度からが5回目の契約締結となります。
 そこで先の12月定例会では、令和2年度から4年度までの契約案件が議案として提出されました。予定価格約5億2千万円に対して、落札額は5億1,200万円と、落札率98.5%と高率です。しかも途中1者が応募を辞退したため、特定1者との随意契約となりました。その契約先は、広島市西区に本社を置く広島県薬業(株)呉連絡所です。

 実は本契約先は、5回の入札連続となりました。その原因について、究明して参ります。
 先ず、呉市内に本社若しくは営業所等を置く市内業者に応札者を限定し、且つ受注希望型指名競争入札にしたことです。地方自治法施行令では、原則一般競争入札を謳っておりますので、指名競争の理由としては、業者の資格審査が困難であると理由を挙げていますが、説得力に欠きます。
 次に予定価格の算出方法です。これは3年前も私が質疑していますが、その時と同様、3者に声を掛けた結果2者が応じたということでした。呉市に製造技術がないため、予定価格算出は3~5者程度から見積もりを取った上で、その平均値を出し、且つ他都市の価格と比較した上で決定するのが理想とされます。2者しか応じず、しかもその内1者が実績のある広島県薬業で、残りの1者は応札しなかったというのですから、その業者は受注意欲が最初からなかったことになります。予定価格積算において工夫するよう3年前に私が要請した訳ですが、全く進歩がなかったことになります。
 この様に予定価格算出において、応札者たる広島県薬業が毎回見積もりを出しているのですから、同社が有利になるのは当然です。

 ところで、袋の仕様問題をこの度私が初めて指摘しました。導入当初から指定袋は可燃、不燃用共にロール式10枚一組となっています。これは、これらを袋詰めする平袋式では、その包装袋を焼却せねばならず、可燃物がその分増えるとの理由からでした。
 しかしながら、袋1枚1枚は取っ手と結び目を創出するための突起があり、これを10枚繋げますので、次の袋との間毎に不要なビニールが生じます。当然これはごみ袋と同じ厚みですので、かなりの量を焼却せざるを得なくなるのです。これに対し、平袋式の包装ビニル袋はかなり薄くできますし、東広島市の様に20枚一組にすれば、その分無駄が省けるのです。総合的に平袋式の方が無駄が少なく、寧ろ環境に優しいと言えましょう。
 しかも、ロール式の製造方法を有する企業は少ないため、これが独占になっている大きな要因であることが判りました。
 そこで、令和2年度からの契約を既に終えている近隣自治体の配送費を含めた袋1枚当たりの平袋式単価を調べてみました。可燃10ℓ袋単価が東広島市で3.12円、広島市で2.88円でした。対して本市では10.45円となっており、大きな差があります。広島市との比較では、実に3.6倍。発注枚数がスケールメリットを生んでいるとの言い訳があったので、呉市と人口規模が近い東広島市でも3.3倍となっていました。因みに広島市では2者、東広島市では3者で入札が成立したということです。
 当局は3年前の私の指摘に対し、仕様を研究すると答弁していましたが、結局何も行っていなかった訳です。しかも他都市の単価と比較したといいますが、これもロール式に絞ったもので、平袋式を調査した形跡は覗えません。
 加えて東広島市におけるこの度の受注業者は(株)ジョイとなっており、呉市に本社を有しています。ということは、少なくとも平袋式では、呉市内業者が存在するということです。

 結論として、

  1. 発注仕様
  2. 発注方法
  3. 予定価格積算方法
  4. 単価

これらを当局は精査する必要があります。3年後の次回は新たな平袋式による契約、1者の事実上の言い値による独占契約から脱皮する必要があるのです。当初の「ロール式が環境に優しい」との固定観念を、何の疑いもなく継承して来たことに問題があったのです。
 私の反対理由を述べる質疑や討論を受け、当局は今後の3年間で抜本的見直しを含めて検討すると回答しました。

 一方私は、指定袋や指定シールを売却した売上歳入をそっくり環境基金として積み立てるよう過去に訴えて参りました。今後のごみ減量化施策にそれを活用する趣旨です。それを使途をホームページで公開し、有料指定袋の意義を市民に理解してもらうと同時に環境啓発に繋げるのです。
 当局は過去、製造単価を差し引くと黒字が少ないとの理由で、導入を否定しました。黒字額を積み立てるのではなく、売上額をそのまま積み立てるのが私の提案なのです。現状では、売上歳入は一般財源として混ざり、一般施策の財源として消えてしまっているため、使途が環境施策に特定されないのです。私としては、今後ごみの減量化施策において腹案があり、提唱することもあるでしょうから、基金化は極めて重要だと考えています。

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