街頭演説集

第231回 市道中央二河町線の拡幅

遅きに失した広島呉道路・呉IC付近の市道拡幅!

Facebook 2020.4.8

 去る4月6日は、231回目の街頭演説。新型コロナ対策で異例の休校措置が解禁され、児童生徒の登校姿が新鮮に映りました。テーマは、市道中央二河町線の拡幅について考察して参ります。

 この道路は、市役所前の蔵本通りを起点に、広島呉道路呉ICまでの直線区間です。終点から、裁判所・呉市体育館がある交差点、呉駅が起点の呉駅前本通6丁目線、通称「今西通り」までの264mを拡幅しようとするものです。平均幅員は28.5mになります。この測量・設計費として今年度1千万円が計上されました。
 これは、昨年3月29日に4車線事業化が決定した広島呉道路「クレアライン」との接続を目的としたものです。本来この高速道路は暫定2車線供用て、償還期間の30年満期を迎える今年11月29日から通行料金の無料化が決定していたものです。
 それが一昨年暮れに呉市長が唐突に4車線化を表明し、国土交通省がこの要望を受け入れたため、無料化がなくなった経緯があるのです。国土強靱化の一環として、国土交通省が財務省から全国1兆円の財政投融資枠を勝ち取ったことに呼応し、呉市長に手を挙げさせた節が透けて見えます。つまり平成30年7月豪雨による土砂崩れによりクレアラインが通行不能になったことで、予算を確保した国土交通省から見れば、象徴的に呉市が手を挙げてもらわれねばメンツに関わる裏事情がありました。
 ところが、昨年6月30日に国土交通省が、広島呉道路を翌日から全国道路網に組み入れると発表したことから、現在の高額通行料金体系のまま、半永久的に有料化が継続することになりました。因みに全国道路網は料金プール制ですから、全国均一料金単価となり、24.6円/kmです。これに対し、これまでローカル線、即ち「一の路線」だったことから、平均47.7円/kmと全国道路網より1.73倍もの負担を通行車両に課してきたのです。
 これまでと同様、財政投融資事業は30年償還なので、それ以降は無料となること、更には高額通行料が安価になることを期待していた輩にとっては大変ショックだったに違いありません。つまり、市長が国の甘い言葉に安易に載せられ、議会とも相談することなく独断先行したことが仇になった訳です。後出しじゃんけんとはこのことです。
 その後も、呉市は本来無料化予定だったこと、高額通行料が半永久的に継続すること、都市計画により、新規2車線がセパレーツではなく、既存車線とくっついていること等、4車線化に不利な情報を、一切市民に公開しておりません。これでは4車線化が決まって喜んでいる市民に対して、反対世論を敢えて封殺するための手立てと言われても仕方がないでしょう。

 一方、民主党政権化で、クレアラインの呉~仁保間において無料化社会実験が行われたことがあります。結局これは失敗に終わりました。その際、呉IC付近の特に登り口付近で大渋滞を招いたのです。具体的には先に紹介した中央二河町線と今西通り交差点付近の裁判所前において、無料となったクレアラインを目指す車両で、信号待ちが続き長蛇の列が続きました。その間には裁判所入り口や、家電量販店の車両入り口、バス停があり、それらが大打撃を受けたのです。特に家電量販店は車両整理のため、警備員を立たせる新たな負担が生じたのです。
 ということで、市民の中には、無料化したら大渋滞の再現になるので、有料が続くのをよしとするご意見も確かにあります。
 実は、無料化時期は当初から分かっていたのですから、呉市としては無料化に間に合わせて、その受け皿となる中央二河町線の拡幅に向け、いち早く手を打たなければならなかったのです。議会からも度々そのような声が聞かれてはいましたが、前市長は全く動こうとはしませんでした。測量・基本設計で1年、用地買収と詳細設計で1年、道路工事で最低2年かかるでしょうから、無料化前の少なくとも4年前、即ち平成28年度からこの度のような予算を計上しなければならなかったのです。
 実は、広島呉道路自体は都市計画道路となっており、既に4斜線分の用地を国が買収済みなのです。その延長として、中央二河町線も拡幅を前提とした都市計画を決定していますので、市長が先を読めていれば、進めるのが当然だった訳です。それをこれまで現市長も含めて、放置していたのは頂けません。
 因みに、都市計画における拡幅部分は北側の呉市営テニスコート部分と、南側の裁判所のある国有地です。テニスコートは若干狭まりますが、プレイ場所はこれまで通り確保できると言います。幸いにも、民家の立ち退きは避けられます。

 結局、たまたま平成30年に豪雨災害があり、急遽4車線化が決まったことで無料化がなくなり、これから拡幅整備しても、十分間に合うようになっただけに過ぎません。予定通り今年11月から無料化になっていれば、インター入り口付近で広島市へ向かう通勤車両が殺到しますので、大混雑を招いたことは間違いありません。
 行政の責務、それをチェックする議会の権能や機能が改めて問われていると痛感しています。

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