街頭演説集

第233回 特別定額給付金

新型コロナ感染流行と定額給付金の背後に潜む闇の勢力!

Facebook 2020.4.22

 去る4月20日は233回目の街頭演説。テーマは新型コロナウイルス対策としての特別定額給付金です。市議会議員の分際ではありますが、純粋な国政レベルでのテーマ選択は初めてのこととなりました。

 さて政府は、新型コロナウイルスの影響で世帯主の収入が半減以上となり、且つ政府が提示する世帯人数に応じた月収上限を下回った場合のみに、「生活支援臨時給付金」即ち世帯当たり30万円を給付することを、去る4月7日に閣議決定し、令和2年度補正予算案に盛り込むと、いち早くマスコミ発表していました。これは国民の不安と政府不信を和らげる手段として、当初政府内では20万円としていたのを、岸田文雄自民党政調会長に華を持たせ、30万円に増額したところでした。
 このため、派遣切りで職を急遽失った無収入の方などは、5月に30万円を受け取った後に、失業手当申請する動きが出ていたのです。
 ところが、公明党の山口那津男代表が安倍首相に直談判し、二階俊博自民党幹事長がそれを援護射撃したため、一夜にして形勢が逆転し、急遽所得制限を設けず、全国民一人一人に対し一律10万円を給付する「特別定額給付金」にとって変わったのです。このことにより、安倍首相の後継者筆頭と目されていた岸田政調会長のメンツは丸潰れです。しかも、一旦閣議決定した予算の内容が、編成途中に見直しを余儀なくされることは前代未聞です。
 実は自民党内でも、国民に一律給付する案は早期に上がってはいましたが、麻生財務大臣の抵抗でかき消されていました。と申しますのも、彼が首相だった平成20年にリーマンショックが発生し、その時国民に一律給付したのが「定額給付金」でした。その際は1万2千円だった訳ですが、その多くは貯蓄に回り、消費増に効果が出難かったことで景気回復に繋がらなかった経緯があるからです。麻生財務相をして、「一律給付は失敗だった」と言わしめたのです。この度はこの再現となります。
 しかも、生活支援臨時給付金の場合、例えば一人世帯だと30万円貰えたはずですが、この度の特別定額給付金になると、10万円しか貰えず、本当に仕事がなくなり生活にお困りの方からみれば、給付額が逆に少なくなってしまうという大きな矛盾を抱えているのです。
 加えて、前者では生活保護受給世帯は対象外だったのが、この度の一律10万円の給付では対象となる可能性が高いです。この10万円を臨時収入とみなされれば、生活扶助費がその分控除されますが、私見ではそんなことをすると、所得制限を設けず一律給付の意義が薄れますので、世論の圧力で甚だ困難と推察しています。但し、新型コロナで減収に全く影響のない、生活保護世帯が新型コロナ対策で通常以上の収入を血税を財源として得るのは、理論上納得がいかない方も多いのではないでしょうか?その結果、減収世帯との収入逆転現象も多々生じて来るでしょう。
 では、世帯当たり30万円と一人10万円とではどちらが評価されているのでしょうか?世論調査によると、この度の政策転換の方を支持する方が国民全体の6割を超えています。つまり与党にとって選挙にプラスな訳です。
 それもそのはず、世帯当たり30万円の場合は、収入が3割減っても収入基準を超えていれば給付の対象外となり、対象者は全体の2割程度と言われていました。これが国民一人一人に10万円であれば、所得制限もなく全ての国民が対象となり、しかも標準世帯である4人家族の場合は40万円となります。この場合、給付ゼロだったのが40万円の給付に打って変わり、反対する理由がないからです。世論というのは、自分自身にとって得か損かで大きく左右されるのです。これが衆愚政治と揶揄される所以です。
 そこで予算規模を比較しますと、減収世帯に30万円の場合の4兆円超と比べ、全国民への一律10万円給付の場合は12兆円超となり、8兆円の新たな財源が必要となります。一昨日4月20日に仕切り直しで閣議決定した補正予算規模は、25兆7千万円弱ですから、勿論大幅な赤字国債発行は必定です。このような未曾有の国家的・世界的危機においては、赤字国債を大幅に発行し、経済的打撃を緩和するのはやむを得ないにしても、最大限の効果を引き出す必要があることは当然です。
 しかしながら、所得制限を設けず一律給付することは、例えば公務員は新型コロナによる給与の大幅な減少は皆無ですので、そこにも給付するのは、どうみても納得がいかない訳です。政府とすれば難しい受給条件を課すよりも、国民にいち早く行き渡るようにするため、条件を付さずに一律給付する方が事務的にも楽ということでしょう。しかしながら、仕事を失ったり、自宅待機させられ、感染がいつ終息するか見通しも立たない中で、真に困っている方に対し、給付額の逆転現象が多くみられることは、言語道断です。
 しかも裕福な方が受給したとしても、非常事態宣言の全国展開により、各都道府県知事が店舗の職種を限定しての休業要請をしていて、県外への移動や外出さえも自粛要請され、観光や遊戯に講じることもでき難くなりつつある現状において、消費の停滞は進む一方です。となれば、給付は通常必要とする食糧購入や家賃等に回るのは明白で、それ以上の付加的価値を生み出す消費には当面回らないことを意味しているのです。

 一方この一律給付制度は、一部の新政党がマニフェストに主張する生活最低保障制度、いわゆる「べーシックインカム」に酷似しています。そしてこの背景には、財源の手立てとして国債をいくら発行しても、政府は絶対財政破綻しないといわれる「MMT(現代貨幣理論)」が根拠になっているのです。これはアメリカの左派政治家が支持を表明し、我が国に飛び火して、一躍脚光を浴びているもので、べーシックインカムとセットになっています。
 この理論の根底には、アメリカやイギリス、日本等は通貨発行権を有しているため、政府がいくら国債を発行して借金漬けになったとしても、政府が中央銀行と結託して国債の借り換えを進めていけば、絶対破綻しないというものです。ギリシアがデフォルト(債務不履行)に陥ったのは、EU圏なのでユーロ建てで国債発行せざるを得なかったためで、円建てで国債発行できる我が国とは違うというのです。
 だから我が国は、GDPの240%という1千兆円を超える借金漬けになっても、一部経済学者が破綻寸前と過去言い続け、警告を発して来たにも関わらず、「現に破綻していないではないか」というのです。これだけ債務を膨らませれば国債の価値が暴落し、金利は高騰するはずにも関わらず、現状は下がる一方となっています。しかも、ここ20年間デフレ(物価安)不況が続き、日銀がいくら量的金融緩和や異次元の金融緩和策を採ったとしても尚、政府が目標とするGDP成長率2%さえ達成できていません。つまり国債を発行し続けても、インフレは起こっていないのです。
 加えてハイパーインフレ(超物価高)は、我が国も戦後すぐに経験していいますが、それは極端に供給不足に陥った特別の場合しか起こらない、現代ではインフレにはなっても、ハイパーインフレにはならないというのです。もし2~4%を超えるインフレになった場合は、企業も利益を上げているので、税収も増えるという経済の自動安全装置が働くので、増税や一部施策の切り捨てで国債発行を抑制すればよいと言っています。
 ただこれは、増税をすることは簡単に国民の合意を得られず、且つ一部施策の切り捨てをしようとすれば、ベーシックインカム部分は削れませんので、他の施策を削減することになりますが、これは現実的ではありません。民主党政権下で、事業仕分けを行って効果の低い施策を切り捨てようとしましたが、一向に進まなかった経験を想い起こして欲しいのです。
 つまりMMTと言っても、インフレを一定程度押さえ込むという条件下での経済論であって、完璧ではないのです。しかも自国で借金し、自国が国債を余計に発行し、償還に回し続けることでチャラにする自作自演が通用するなら、通貨発行権のない国との差が広がりますし、必ずこれら矛盾が表面化し、副作用が起こると私は考えています。勿論このような自作自演は「財政ファイナンス」と呼ばれ、財政法第5条で禁じられているのです。もしMMTを実践しようとすれば、法改正も伴う訳で、簡単にできるものではありません。
 具体的には、ベーシックインカムにより国民の労働の意欲が失せ、遊び人やニートが益々増加し、ただでさえ少子化で労働力が不足しているのに、それに拍車をかけ、事実上の移民政策を拡大することになりかねません。これにより、国民の創意工夫努力が喪失し、一層怠惰になり、犯罪も増える可能性を否定できません。これらが副作用になり得ると私はみています。もちろんMMT論者はこれらには一切触れていません。寧ろ、長期のデフレ下で国債を発行し続けて尚経済破綻しない我が国をMMTとベーシックインカムの実験台にしようとする思惑すら透けて見えます。
 また、我が国のMMT論者は、いくらでも国債発行が可能で税収不足を補えるのだから、消費税はいずれゼロにすべきと主張しています。確かにデフレ下で我が国は消費税を導入し、その後3度も税率をアップしました。デフレ下でこのような増税、特に庶民にとってきついことを行えば、消費低迷となり、企業も製品が売れず、ものづくりのための投資を控えますので、経済成長は止まってしまいます。だから成長し続けるなら、適度なインフレ、即ち2%程度が好ましいとして来たのです。物価が上がる見込みがあるなら、今の内に消費しようとするのが消費者心理だからにほかなりません。私はこの主張は正しいと思っています。
 ところで、消費税をゼロにするための財源としては、この消費税増税に呼応して減税して来た法人税と所得税の内、金持ち優遇を元に戻すべきと主張する新政党がありますが、これには大いに賛同するところです。政府は、企業の海外進出を防止するためと言いますが、それよりも内需が減退したことが、企業の海外移転に拍車をかけたとの調査分析があるくらいです。
 そして、これも一部の新政党が主張するように、儲けの多い企業から多く徴収する、法人税累進課税は正しい方向性と思います。勿論個人に課す所得税も大金持ち優遇の税率を元に戻すべきというのも、大いに頷けるところです。

 結局、金融機関が融資する際に、信用創造で貨幣としての預金が新たに生じるというMMTの主張に対しては、国会でもMMT論者の自民党議員が質問し、財務省もこれを認めました。即ち、貨幣そのものの意義が問われているのです。つまり、中央銀行に大きく出資している国際金融大資本が一方的に儲かるシステムになっているのが、貨幣・金融システムということなのです。
 これでは世界の貧富の格差は拡大する一方です。この金融詐欺を打破する必要があるのです。MMT論者はこの欺瞞的な信用創造を見破った上で、その上に立脚し弱者救済を柱とした社会主義的経済政策を推し進めようとしています。そうではなく、この貨幣と金融による闇の組織による世界支配の構図に立ち向かうことこそが、世界平和への鍵を握っているのではないでしょうか?
 この度の新型コロナの世界的危機はまだ序の口であって、多くの死者を輩出したこの度の苦い教訓で、新たなワクチン摂取を迫る巨大資本の陰が見え隠れするのは私だけでしょうか?新型インフルエンザが流行した時も、ワクチンを開発した一部製薬会社がぼろ儲けをしました。今回もその愚を再現しようとする勢いです。ワクチンや新薬をいくら開発してそれらを摂取すればそれだけ、人体の免疫力は低下し、医療・製薬業界は儲かる一方です。
 その上、耐性ウイルスや耐性菌が繁殖するようになり、それに更に対抗するワクチンや医薬品開発と続き、それは止まることを知らず、結果的に不健康な人間をつくるだけです。
 それよりも何故、新型コロナが流行したのか、それは人類の免疫力低下が一番の原因だと思えてなりません。本来の健康な身体であれば、そのようなウイルスを受容体からシャットアウトする機能を有していると言います。それが免疫力の低下した方や、喫煙者、高齢者、精子が極端に減少した多くの男性が感染し易い体質になっていると推察されてもいます。ホルモンの低下もあるでしょう。
 これらの要因は、まだ解明された訳ではありませんが、化学肥料、農薬、添加物、石油合成洗剤、同化粧品等、口や皮膚から浸透する毒物の蓄積があると考えられます。この度の新型ウイルスの世界的感染爆発を尻目に、人類は今一度、自然共生に立ち返るべきです。人類はこのことに覚醒した上で、特別定額給付金からは、その背後に潜む貨幣・金融詐欺に気付くべきなのです。

タイトルとURLをコピーしました