街頭演説集

第245回 呉駅南2・3街区の短期定期借地は愚策!売却への転換を

Facebook 2020.7.16

 昨日7月15日は245回目の街頭演説。先週に続き月曜と火曜に雨が降り続いたため、水曜日に持ち越しとなりました。この日は幟旗を忘れたため、「自然共生」の表示は初めて襷のみとなりました。テーマは、呉駅南の街区政策についです。

 呉駅南、即ち呉駅の裏側にはJRの玄関口がなく、それを繋ぐために現在の駅舎が建設された翌年昭和57年に、呉市が3億5千万円かけて呉駅宝町自由通路を建設しました。その後、呉駅南地区土地区画整理事業があり、ゆめタウン呉を誘致したこともあって、平成13年に7億円かけて呉駅西自由通路を建設したのです。
 呉駅の表玄関は、阪急ホテル誘致やそごう呉店誘致で再開発があり、その後駅裏を土地区画整理事業で賑わいや再生を図った訳です。
 その整備手法ですが、区画整理後、呉市所有地と呉市が100%所有する呉市土地開発公社、そして6者の民地が混在する形に整理し、その全体区画を4街区に分けて政策誘導しました。即ち西側の二河川に近い区画を1街区、順に2街区、3街区、そして東側の堺川に近い区画を4街区として位置付けました。
 1街区は呉市土地開発公社が売却し、葬儀屋「シティーホール呉中央」と、換地を受けた中国ジェイアールバスの駐車場となっています。4街区は土地開発公社が売却し、ホテルとマンションになりました。因みにこの頃は大和ミュージアムがオープンすることで企業ニーズが高まり、土地鑑定評価額より2.3倍もの値がついたのです。
 呉市が日本国有鉄道精算事業団やJR西日本から購入した2街区と3街区については、公共空間として駅と連動することから売却せず、当時の借地借家法に基づき、事業用定期借地契約を締結すべく、提案型公募を実施したのです。当時法律での最長期間だった20年定期借地です。
 2街区は辻硝子と契約を結び、そこを更にテナント誘致して、現在カラオケ店「ビッグエコー」、車両用品量販店「イエローハット」、回転寿司店「寿司鮮」、焼き肉店「大福」が営業しています。ところが、令和3年10月末で定期借地期間が満了となるため、更地返還、且つ延長なしという契約になっていたのです。
 そこで呉市は、去る6月24日から公募広告を出し、9月14日、15日の2日間で応募者の受付を行い、選定委員会での審査を経て、10月上旬に事業者を決定する運びとしました。

 ここで問題なのは、定期借地が条件で、それも期間を僅か10年間に設定したことです。これも期間満了時には建物を解体する必要があり、延長は認めない仕様としました。これでは事業継続が図れないため、事業者側にメリットがあまりありません。事業展開の自由度も狭められてしまいます。
 平成20年に改正された借地借家法では、事業用定期借地は、当時の20年までと違って50年までと、規制緩和されているにも関わらずです。
 しかも、隣接の3街区にはレクレビルが建っていますが、これも当時大和システム(現在はオリックスに契約相手を変更)との20年定期借地のため、令和7年10月22日に期間満了となるのです。ここも新たに短い期間を設定しての定期借地になる可能性が極めて濃厚です。
 勿論2街区にしても3街区にしても、新規開発事業者と既存事業者が話し合い、既存建物を継続使用することは可能でしょう。その方が既存事業者として、解体費用が浮き、建物の売却収入まで入って来るからです。無償譲渡もあり得ます。

 では何故このように短期間の定期借地にするのかといいますと、呉駅北、いわゆる表玄関における市長が推進する施策と密接に関係があるとみます。市長は呉駅周辺地域総合開発を進めており、その基本計画では第1期を呉駅北側に位置付け、第2期を駅南に位置付けているからです。しかも、「駅南の土地利用は今後検討する」と明記されています。
 ということは1期計画では、早くて令和4年度の着工としていますので、それが終わる段階で2期計画に移行しますが、その時2街区や3街区が20年定期借地だった場合は、呉市として駅周辺開発の足枷になるというものでしょう。
 そもそも、駅周辺開発は民間主導に委ねるべきで、行政が介入すれば、そこに血税投資が必ず入って来ますので、市民の大きな負担になる訳です。しかも3期計画まであり、駅南から大和ミュージアムや中央桟橋辺りの再整備も視野に入れているのです。
 この様に、呉駅周辺地域総合開発と言えば、市民は期待を膨らませましょうが、多大な血税投資や費用対効果の薄い開発といった大風呂敷を敷くような公共主導開発は厳に慎むべきなのです。呉市としては身の丈にあった必要最低限の駅前広場整備に止め、そごう跡地開発においては、同組合が仕様を考え公募するにしても、あくまで民間開発とすべきなのです。
 以上の理由から、呉駅南2街区、そして今後想定される3街区の短期定期借地を転換し、長期定期借地、若しくは思い切って条件付き売却に踏み切るべきと考えます。

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