街頭演説集

第253回 呉市内全域に光回線布設へ!接続の自己負担公平化を!

Facebook 2020.9.10

 去る9月8日は、253回目の街頭演説。テーマは、情報通信基盤整備助成についてです。
 呉市では令和2年度当初予算に、同事業として4,980万円を予算化しました。これは市内で光通信回線未整備地区に対して公的補助により民設民営で同回線を布設する事業です。
 初年度である今年度は下蒲刈町の一部で先ずは布設し、2年目に下蒲刈町の残りと豊浜、豊各町、3年目の令和4年度に蒲刈、倉橋各町、音戸町の一部、郷原町との予定で、3年間で9億740万円を上限とすることにしています。つまり、3~4年度における費用負担予定として8億5,760万円です。
 但しこれは、過疎地域を中心に国庫補助対象となり、補助率1/3ですのでこれは民間事業者に国から直接助成されます。残りは全額呉市負担。これを有利な起債である過疎対策事業債で充当します。即ち総事業費約12億円の内、呉市負担分が9億円余りとなる訳です。その内7割が交付税措置、即ち元利償還分を国が負担します。
 ところが、新型コロナウイルスを踏まえて、テレワークやオンライン化事業を促進するため、国が情報通信基盤整備に係る補助を拡充しました。国の第1次補正予算です。
 そこで呉市では、去る5月の補正予算で、郷原町の一部を今年度の事業に追加するため、3千万円を組みました。郷原小中学校は呉市による地域イントラネットが整備されていないことから、オンライン事業を押し進めるため、補助枠が優先されたのです。
 更に国が第2次補正で、補助対象を更に広げました。これにより、この3年間の呉市事業でも未整備が残る地区、具体的には安浦町の女子畑、仁方町戸田、見晴町1丁目など、全市域が事情対象に拡大しました。即ち全てを今年度で整備する予算として、呉市7月補正予算に、6億700万円が追加されたのです。但し、今年度中には時間的に間に合わず、予算を翌年度に繰り越し、令和3年度末までに全域がカバーされることになるでしょう。
この結果、国からの事業者の補助金が増額された結果、総事業費が12億8千万円となりました。
 これにより、呉市へのUIJターンや過疎地域への企業誘致にも効果が現れると思います。
 さて事業者選定ですが、プロポーザルを行った結果2者が応募し、去る5月29日にNTT㈱広島支店を優先交渉権者に選定しました。元々過去の光通信回線整備はNTTだったので、一部延伸することになり、同社にとって好都合だったでしょう。つまり、市内未整備地区全て含めても予定価格を下回る8億900万円での提案となったのです。
 この様に基盤整備に係るイニシャルコストは全額公費負担となりますが、整備後の運営には、呉市は一切補助を致しません。過疎地域は高齢化率が非常に高いので、ネットユーザーも限られ、運営が成り立つのかが心配しておりました。ただ、国の方針で全国の小中高校が校内ランを整備しオンライン授業を推進することで、学校が大口ユーザーとなることが確実になったことが、事業者を後押しすることになったと推察しています。

 一方、呉市7月補正により、尚令和3年度と4年度に係る予定の予算枠、即ち債務負担行為が1億2千万円に修正されました。この意味は、豊浜、豊町におけるケーブルテレビ回線からの接続替えに係る費用ということです。これも同一事業者が施工しますが、この部分には国庫補助はありません。しかもケーブル回線の撤去費用も国庫補助対象外です。その分呉市が過疎債を用いて全額補助することになります。
 尚、過疎債が適用できない地域は、当初呉市が負担することにしていましたが、その後国が新型コロナ対策に使える地方創生臨時交付金を情報通信基盤整備に充当できると規制を緩めたので、過疎債対象外は、全てこれで埋め合わせることにしました。
 ところで、当然ではありますが、光通信回線が新たに整備され、そこに接続される家庭は、その費用は全額自己負担となります。しかしながら、豊浜、豊両町だけは、全額公費負担となるため、ここに大きな不公平が生じることが私の追求で判明しました。
 呉市の理屈は、既にケーブル回線に繋いでいるのを、呉市の事情でケーブルテレビを廃止するのであり、光回線に繋がねばテレビを視聴できないから、全額公費負担というのです。
 と申しますのも、この両町は離島でテレビ電場が届き難いため、合併前に難視聴対策としてケーブル回線を布設し、これに接続することでテレビを視聴する体制を整えた経緯があるのです。難視聴であっても、各家庭が接続する場合は受益者負担原則により、難視聴を理由とする一部公費があったとしても、自己負担は当然と考えます。
 例えば旧市内でも山間部の一部でテレビ電波が届き難い地域があり、そこは地域組合を設立して、共同アンテナを立てました。その際一部は公的補助がありましたが、全額ではありません。また難視聴地域でない街中でも、ビルの谷間に位置している家では電波が入り難いところがあります。この場合新たに専用アンテナを立てますが、これには公費助成がないため、全額自己負担となります。
 戻って、過去ケーブル回線を布設した際、接続料に一部自己負担がされていれば、この度は呉市の事情での付け替えですから、それは全額公費でよいと考えます。但し、もし合併前の各町が、自己負担を求めていなかったとしたら、今度こそは公費と自己負担の区分を明確にするべきと考える訳です。即ち受益者負担原則と負担の公平性の観点からの理屈です。
 ところが、呉市は過去の経緯を調査せずに、はなから全額公費負担にして予算を積算していたのですから、驚きです。市長は公平性を平素から主張しているのですから、有言実行して欲しいものです。先ずは、過去の経緯を調査し、その結果によっては、一部自己負担が生じることになるというのが、私の言わんとするところです。

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