街頭演説集

第256回 新型コロナ支援、指定管理者と公共交通事業者は公平に!

Facebook 2020.10.4

 去る9月28日は256回目の街頭演説。テーマは新型コロナの影響を受けた呉市有施設の指定管理者と公共交通事業者への支援策についてです。
 新型コロナウイルスの影響で、政府が非常事態宣言を発令したことによる休館や、県知事による営業自粛要請で、市有施設への来館者は激減しました。特に観光施設が大きく影響を受け、例えば呉市の目玉施設である大和ミュージアムでは6月に入ってようやく営業を再開しましたが、今年度は8月までの来館者数が僅かに7万1千人、対前年度同月比で85%減となっています。
 しかも、10月1日から政府によるGoToトラベルが東京都発着を認めた訳ですが、呉市では連日新型コロナ感染が発症し、全国的にも終息する見通しは全く立っておりません。
 そこで本市は、公共施設を利用料金を自らの収入として運営している指定管理者への支援策を講じるべく、去る9月定例会において1億4,100万円の補正予算を組みました。
 呉市と指定管理者との基本協定は、原則5年間の指定管理期間の初年度に締結。その中に、指定管理者が毎年度計画した内容を以て、不足分を呉市が指定管理者に対し指定管理料を支払うことになっています。来館者が計画より少なくて指定管理者が例え赤字に陥ったとしても、呉市は補填せず、逆に大幅に黒字になった場合は、それをインセンティブとして留保に回せる仕組みです。
 但し、呉市の一方的な事情や天災等、不可抗力が働いた場合は、その都度指定管理者が協議を申し入れることを可能にし、その際呉市は協議を拒否できないとされています。ところが2年前の西日本豪雨災害の時、公共交通網が遮断され、断水に陥ったりして、来館者が大幅減になった際は、協議の場を設定しないように敢えて仕向け、追加の指定管理料を支払いませんでした。
 そこで私は、この度の新型コロナ危機においては、協議に応じるよう当局に対し促していたのでした。その甲斐あってか指定管理料増額を市が認めたのがこの度の補正予算という訳です。

 その補填の中身ですが、今年4~5月の2ヶ月間において、対前年同月比で減収となった金額の1/2を追加補填するというものです。1/2の意図は、半分は自助努力で来館者を増やしたり、経費を押さえ込んだりしての企業努力を求めたのでした。
 その対象となった利用料金制等を採用する施設グループ数は19種類。この中で最も金額の大きかったのは、当然大和ミュージアムで約7,200万円。続いてグリーンピアせとうちの2,700万円、県民の浜関連が1千万円、野呂高原ロッジ関連が980万円です。
 これらの中には老人集会所等も含まれていました。これらは非公募で地域の縁故団体たる地区社会福祉協議会が指定管理を担っています。老人集会所等条例では、使用料規程がありませんので、利用料金制ではありません。しかし実際は、損耗料という形で利用者から「光熱水費使用料」を徴収しており、それらは指定管理者に収受されます。
 これらに対し呉市は、4月と5月の休館を要請したため、その2ヶ月の光熱水費の基本料金と対前年同月に係った光熱水費の差額の1/2を補填するとしました。38施設合計で、僅か60万5千円です。ということは1施設平均1万6千円弱となります。
 私は、これら老人集会所等は、呉市から丸2ヶ月間の閉館要請あったののだから、その間の対前年比較の差額1/2ではなく、全額を補填すべきと訴えました。

 一方、これら指定管理者に比べ公共交通事業者に対しては手厚い補助の手をさしのべ、1億5,100万円の予算を計上したのです。
 公共交通事業者、即ち路線バスたる広島電鉄には1億1,700万円、生活バスには620万円、広島電鉄が運行する呉広島空港線「エアポートバス」には2,400万円、離島・生活航路に対しては350万円です。
 ところが、指定管理者が2ヶ月分の差額の1/2なのに対し、公共交通事業者にはこの4月から来年3月までを予想して1年間分の差額の1/2なのです。先ずここで大きな不公平が見てとれます。しかも7月以降は予算編成段階で決算額が出ていなかったことで、6月の対前年度比差額が今年度一杯続くものとみなした上で積算したのです。来年3月まで同じ経営状況が継続する確証はありません。
 しかも去る7月補正では、交通事業者に対し、保有する車両や船舶の数に乗じた補助金を支出する経営支援策を講じているのです。具体的にはバス1両につき15万円、フェリー1隻につき50万円、その他船舶1隻につき15万円です。つまり、経営補填が重複しており、税金の二重投資になります。しかもこの時は、他の企業店舗の様に、県の感染症対策取組宣言店に登録する条件は課していませんでした。
 答弁では、公共交通は市民の足を守るため必要不可欠であるとのことでした。と言いながら、平素公的補助対象外である市内を走る中国ジェイアールバス、さんようバス、瀬戸内海汽船への支援は皆無ですから、ここでも矛盾を内包していると言わざるを得ません。
 少なくとも私は、算出後の支援額から、7月補正での支援分を控除することで公平になると考えます。市長は公平な行政を平素から主張していますが、これが公平を期しているとの明快な説明は皆無でした。

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