街頭演説集

第305回 呉駅周辺地域総合開発は、身の丈に合わない大風呂敷!

Facebook 2021.10.18

 去る9月22日は305回目の街頭演説。テーマは呉駅周辺地域総合開発における第1期プロポーザルについてです。

20211018第305回街頭演説

 呉市長は、昨年9月頃プロポーザルを実施する予定でしたが、コロナ禍で企業マインドが急速に薄れたことで断念。1年程度の延長を表明していました。コロナ禍が長引く中で、昨年度より陽性爆発率が高く、緊急事態宣言も多発しているため、今年度の仕切り直しは難しいと踏んでいました。
 ただそれでは、呉駅前広場を国が直轄で再整備するバスタプロジェクトは今年度が設計段階で、来年度には着工する予定なので、それと連動する隣接のそごう呉店跡地の再開発がミスマッチになってしまいます。これを成立させるために、昨年10月に補正予算を組み4億2,300万円で、そごう跡地の権利を全て呉市が購入した経緯があるのです。
 また、今秋に呉市長選挙が挙行されることから、この度の機会を逸すると、全てがかみ合わなくなり、ひいては選挙戦に影響がもろに受けます。このため呉市は9月14日の呉市議会産業建設委員会で進捗状況を報告し、10月6日からプロポーザルを11月5日までの期間で公募したのです。

20211018第305回街頭演説

 但し通常のプロポーザルは、選定事業者が土地・建物の譲渡を受け、そのまま事業実施することが定番です。ところがこの度は、選定されても事業実施者としての担保はなく、あくまでも事業協力者として、その提案を参考に、呉市と呉駅交通ターミナルを整備する国土交通省とが協議をした上で、最終的に事業実施者を決めるという2段階となっています。つまり、事業者としては参入リスクがそれだけ高くなる理屈です。
 と申しますもの、呉駅前広場を2階デッキを整備しつつ、そごう東側の1階と2階の一部を国がターミナルの一部として区分所有することにしているからです。更に東側では呉市も公共施設であるアーバーンデザインセンターを新設し、レクレビル内にあるすこやか子育て支援センターを移設し、公共施設を整備することにしているからです。これらと整合性を図ることが重要になって来るというのでしょう。

20211018第305回街頭演説

 ところで、アーバンデザインセンターとは、公民学が連携してまちづくりの課題に取り組む組織拠点との位置付けですが、公共施設等総合管理計画との整合性から、これ以上公共施設を整備することはまかりなりません。しかも常駐職員の人件費や施設の維持管理費は半永久的に呉市負担となります。末代にまで後悔を残す愚策と考えます。
 また、レクレビル内にあるすこやか子育て支援センターでは、家賃年間1,320万円、共益費330万円で計1,650万円と光熱費が出費されています。これが移転するとなると、この契約はどうなるのか不透明ですし、もし移転するにしても、既存の公共施設例えばビューポートくれの2階が以前は国際交流センターでしたが、新庁舎に移転したまま空いていますし、すこやかセンターくれ1階の多目的広場は、新庁舎が整備された後福祉部門がそこに移転したため、稼働率がかなり低下し、不効率となっています。
 勿論、呉駅前広場をそごう東側の1画に食い込むことで、民間活力をそぐ要因となりますし、当初計画に上っていた、隣接のJA呉を再開発に取り込む内容は、相手があり、いつの間にか消えてしまいました。これは私の予想通りでした。
 この東側部分の土地は提案により最低制限価格を設定した上で、有償譲渡。そこから公共施設部分を呉市が買い戻すという訳です。
 また、そごう建物西側は、商業施設として、全部譲渡しますが、建物解体撤去を条件に、その費用が土地価格を若干上回ることから、無償譲渡と致します。

20211018第305回街頭演説

 いずれに致しましても、この再開発は斜陽化しつつある呉市にとって、背伸びをした、
破格的な開発であって、末代にまで維持管理経費がボディブローのように効いて来るものとみます。身の丈にあった開発に止めるべきだったのを、前回市長選における前市長との対抗マニフェストとの位置づけから、現市長が大風呂敷を敷いたのが間違っていました。

 尚、この度の305回目を以て7年目に突入した定期街頭演説は、諸般の事情により一旦幕を閉じることと致しました。関係者、協力者の皆様には大変お世話になったことを、この場をお借り致しまして、厚く御礼申し上げます。

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