2022.12.26
呉市は去る9月28日の議会民生委員会で、指定ごみ袋が供給不足に陥っているため、10月3日から11月30日まで、家庭から可燃ごみを搬出する際は、透明若しくは半透明のポリ袋やレジ袋の使用を可能にするとしました。ところが、期限に近づいても一向に改善の兆しが見られないことから、翌年3月31日まで、この措置を延長しました。
原因は、コロナ禍で製造現場の従業員の休暇取得が相次ぎ、製造が間に合わないとの説明でした。オミクロン株流行に伴い、無症状によるPCR陽性者が激増すると共に、ワクチン接種による副反応や後遺症も考えられます。
これに先立つ8月23日は、同委員会に対し、指定ごみ袋の発注業者選定方法の改革が当局から示されました。
実は、平成16年7月からスタートした本制度で、これまでの随意契約から20年度以降は入札に変更になりました。その後3年毎の競争入札による契約において、広島県薬業(株)呉連絡所がこれまで5回連続全てを受注していたことに端を発していました。
呉市では、初年度のプロポーザルで包装方法をロール式に限定したことから、製造工程を有した事業者が限られたことで、1者独占を許していたのです。しかも入札前に予定価格を積算する際には、3者中、実績のある独占業者を必ず入れていたことから、同業者に有利に働いたと言われても仕方ないでしょう。
谷本議員は、3年前の契約時においてロール式に限定せず、平袋式も含めての応札に変更するよう、当局に迫った経緯があります。この度は、それがついに実現したことになります。
実際平袋式での東広島市の受注単価は、呉市の1/3程度に収まっていたのでした。平袋式では、例えば10枚単位でまとめる際の包装袋が廃棄・焼却対象となり、無駄だと導入時に当局が説明していました。ところが、ロール式でもそれを1枚々々切断する際に、突起上の不要部分が生じるため、どのみち可燃物として廃棄処分に回ることで、大差がなかったのです。
またこの度は、可燃ごみ用が5種類あったのを、特大の45ℓ用のニーズが低かったためこれを廃止し、40、30、20、10ℓの4種類としました。不燃ごみは3種類で変更はありません。
加えて、二酸化炭素排出量を抑制できるバイオマスプラスチックを原材料とするよう見直しを図りました。広島県内では、大竹市、安芸高田市が先行導入しています。
ところで、この度広島県薬業(株)が供給困難に陥ったのは独占体制が要因で、他に230自治体も受注していたことが、9月23日に判明しました。しかも、元請けから受注管理業者を通じ、そこが製造業者、保管業者、配送業者とそれぞれ別企業に下請けしていたことが初めて議会に報告されたのです。
結局、広島県薬業(株)と受注管理業者が重複しており、元請けに契約金額の一部が手許に残るうまみがあったと容易に推察されます。だとすれば、市民の血税が浪費された可能性を否定できず、非常にゆゆしき事態です。
そこで来年度からは、製造業者との契約を1年間、受注、保管、配送を一括で3年間とする分離発注を決めました。前者は一般競争入札、後者は受注希望型指名競争入札となります。