介護予防と認知症対策の問題点を指摘!
Facebook 2017.12.28
去る12月25日クリスマスの朝は今年最後となる街頭演説で、通算119回目となりました。テーマは、介護予防と認知症対策についてです。
平成27年度改正施行の介護保険法によって、要支援1・2の方は通所・訪問介護に限り国の給付事業から外れ、市町村独自の地域支援事業に移行しました。即ち、その中の新しい介護予防・地域生活支援総合事業に位置付けられたのです。
これにより、サロン事業の移行に問題が生じました。具体的には呉市において、要支援になる前の方、いわゆる要支援候補者を対象としていた1次予防事業としての地域密着型の呉市社会福祉協議会との共同事業たる「ふれあい・いきいきサロン」や、レクレーション型委託事業である「すこやかサロン」、2次予防事業としての「介護予防教室」の対象者に差異がなくなり、全て総合事業の中の一般介護予防事業に位置付けたのです。
因みに介護予防教室には、筋力アップ教室やマシントレーニング教室等があります。特に後者は、マシンのある音戸のさざなみ苑やウィング倉橋等でなければ開催できません。水中歩行は、今年度からダイクレスウィミングに委託してスタートしたところです。
さて一般介護予防事業とは、対象は65歳以上であれば誰でもよく、平成18年度改正施行の介護予防の導入の趣旨とは若干趣旨が異なります。例えば介護予防教室は2次予防対象者が受講し、カリキュラムを修了すればそれまでだった訳で、今年度から呉市では分け隔てなく参加することを可能にしたのです。それでは介護保険料を使って何の無料教室を実施するのか、その費用対効果に疑問が残ります。
私はこれを総合事業の中でも介護予防・生活支援サービスの通所事業にするべきではなかったのか、疑問を感じているところです。そうすれば、対象を要支援者か介護予防必要者に絞り込むことができたのです。つまり、ふれあい・いきいきサロンとの差別化を図るべしというのが私の考えの一つなのです。
また、平成27年10月からは、議会に報告なきまま、新たなサロン事業である「きてくれサロン」がスタートしていました。これは、指定介護サービス事業所に委託しているもので、受講料は事業所が設定、現在21箇所あり、機能訓練指導員が指導に当たっています。これは会場は事業所が自前施設を提供し、人材も兼務できるので委託料の縮小化を狙っただけで、すこやかサロンに似ています。
つまり、一般介護予防事業は、既存のふれあい・いきいきサロン、すこやかサロン、各種介護予防教室に加え、新たなきてくれサロンと、群雄割拠としてひしめいており、その違いが高齢者に非常に分かり辛くなったのは否めません。
しかも、すこやかサロンは6箇所ありますが、一部実績のある事業者への随意契約、介護予防教室は入札契約となっています。地方自治法施行令では随意契約の場合、理由を明確に説明すべきとしています。
この問題も含め、介護予防教室も一般介護予防事業に組み込むのであれば、4つのサロン事業の統合も検討すべきでしょう。ふれあい・いきいきサロンは成り立ちが異なりますし、市内213箇所もありますので、これはそのまま残し、すこやかサロン、介護予防教室、きてくれサロンは統合対象候補となり得るのではないかと考えます。
次に地域支援事業の中の包括的支援事業の内、新たに改正法で義務付けされた認知症初期集中支援チーム事業について考察してみます。
改正前の平成25年度、厚労省が全国14箇所をモデル事業として指定したことに端を発します。その趣旨は、認知症初期段階の高齢者とその家族を対象に選択し、主治医や関連する医療や福祉機関、包括支援センターの担当職員等でチームを組み、集中的に対応に当たるもので、それにより認知症の重症化を防ごうというものでした。
呉市は平成27年1月から、広島県認知症疾患医療センターに指定されているふたば病院に委託しました。同年度は県の財源をそっくり使え、今年度は呉市介護保険特別予算を計上、ほうゆう病院に2チーム目をこの10月から委託しましたので、年間750万円となっています。来年度は通年2チームになりますので、チーム当たり今年度並みの50人を対象とすると、1千万円規模に膨れ上がるでしょう。
問題は認知症初期段階ではなく、地域包括支援センターが関わった初期の高齢者を対象としているため、認知症がある程度進んだ方も含まれている点です。これでは多大な人件費を投入しても、効果がどの程度見込めるのか多いに疑問を感じており、今後追求して参る所存です。
大体、たった1人の認知症重症化を防ぐため、多大な人件費を割く、対症療法を義務化する国の法改正が気に入りません。認知症は年々増えつつあり、戦後食生活が大幅に変わったことを初め、よくよく根本原因を探求する必要があるでしょう。
最後に地域支援事業の中の一つ、任意事業です。
その中の一つである認知症カフェは、私は平成27年6月定例会一般質問で採り上げたことが実り、導入が実現しました。現在10箇所に増えているそうです。これは、認知症本人やそのご家族がお茶を飲みながら気軽に参加し、そこに介護資格等専門職に来て頂いて懇談する事業です。参加費は主催者によって異なりますが、300円程度徴収しているようです。1人参加する毎に、呉市から500円が補助されます。家族の理解向上もあり、生活上での不安解消に繋がる相談もできるので、効果はあるでしょう。
ところで来年度から呉市は、第7期介護保険事業計画を介護保険法に基づき策定致しますが、この認知症カフェやサロンの設置数の目標数を検討しておりませんでした。はやり計画策定にはデイサービスや施設介護同様、事業数やベッド数の数値目標を掲げるべきではないかと考えています。
また、介護予防教室を修了した高齢者を対象とした地域リハビリ活動支援事業があります。これを呉市では今年度から制度化させ、介護予防自主グループ活動支援事業と呼ぶことにしました。これも議会には全く説明はありませんでした。
つまり、介護予防教室を修了したら、自分1人で体力作りを自宅でできる人は皆無に近く、簡単な体操であっても長続きはしません。そこで、それら同好の士がグループを結成し、会費を募り、講師謝金と会場費の原資とするのです。これにグループに対し補助金を2千円交付します。これには人数がある程度集まらないと会費を高く設定せざるを得ず、会員が集まらないジレンマがあります。現在17グループ、講師謝金の平均は6千円、開場使用料平均は2千円、会費平均は450円、会員数平均は24名となっています。これまでの介護予防教室では無料だったのか、450円になる訳です。
実は17箇所の内、使用料規定のないさざなみ苑を会場に使用している音戸地区のグループだけは、無料使用できるのです。呉市が徴収しようとその気になれば、行政財産の目的使用許可ですので、それは可能ですが、さすがに総合ケアセンターと銘打ち合併前に建設した公共施設だけに、それは酷というものでしょう。しかも施設の設置目的にも合致しているからです。
そこで私は、このような介護予防に特化した自主グループを増やすためにも、呉市の一定の公共施設使用料を免除すべきと訴えて来ました。例えばすこやか子育て協会に登録kした子育て支援グループや、市民公益活動支援団体に登録した団体が公益活動を行う場合は、使用料が免除されているのです。それと同様の取り扱いをすればよいのです。不公平も合わせて解消できる寸法です。
尤も、介護予防教室そのものが、65歳以上なら誰でも参加できるように今年度呉市が位置付けたことで、今後はそちらに参加する人が増え、その修了者との位置付けがあるのか、今後調査が必要です。もしそれがなければ、この自主グループ活動も先に結成したことが空虚になり兼ねません。
以上、大きく4点の課題や問題点を指摘しました。私は来年度を目前に控え、これらの解決や改善に向け、引き続き精魂を傾けて参る所存です。
平成27年度改正施行の介護保険法によって、要支援1・2の方は通所・訪問介護に限り国の給付事業から外れ、市町村独自の地域支援事業に移行しました。即ち、その中の新しい介護予防・地域生活支援総合事業に位置付けられたのです。
これにより、サロン事業の移行に問題が生じました。具体的には呉市において、要支援になる前の方、いわゆる要支援候補者を対象としていた1次予防事業としての地域密着型の呉市社会福祉協議会との共同事業たる「ふれあい・いきいきサロン」や、レクレーション型委託事業である「すこやかサロン」、2次予防事業としての「介護予防教室」の対象者に差異がなくなり、全て総合事業の中の一般介護予防事業に位置付けたのです。
因みに介護予防教室には、筋力アップ教室やマシントレーニング教室等があります。特に後者は、マシンのある音戸のさざなみ苑やウィング倉橋等でなければ開催できません。水中歩行は、今年度からダイクレスウィミングに委託してスタートしたところです。
さて一般介護予防事業とは、対象は65歳以上であれば誰でもよく、平成18年度改正施行の介護予防の導入の趣旨とは若干趣旨が異なります。例えば介護予防教室は2次予防対象者が受講し、カリキュラムを修了すればそれまでだった訳で、今年度から呉市では分け隔てなく参加することを可能にしたのです。それでは介護保険料を使って何の無料教室を実施するのか、その費用対効果に疑問が残ります。
私はこれを総合事業の中でも介護予防・生活支援サービスの通所事業にするべきではなかったのか、疑問を感じているところです。そうすれば、対象を要支援者か介護予防必要者に絞り込むことができたのです。つまり、ふれあい・いきいきサロンとの差別化を図るべしというのが私の考えの一つなのです。
また、平成27年10月からは、議会に報告なきまま、新たなサロン事業である「きてくれサロン」がスタートしていました。これは、指定介護サービス事業所に委託しているもので、受講料は事業所が設定、現在21箇所あり、機能訓練指導員が指導に当たっています。これは会場は事業所が自前施設を提供し、人材も兼務できるので委託料の縮小化を狙っただけで、すこやかサロンに似ています。
つまり、一般介護予防事業は、既存のふれあい・いきいきサロン、すこやかサロン、各種介護予防教室に加え、新たなきてくれサロンと、群雄割拠としてひしめいており、その違いが高齢者に非常に分かり辛くなったのは否めません。
しかも、すこやかサロンは6箇所ありますが、一部実績のある事業者への随意契約、介護予防教室は入札契約となっています。地方自治法施行令では随意契約の場合、理由を明確に説明すべきとしています。
この問題も含め、介護予防教室も一般介護予防事業に組み込むのであれば、4つのサロン事業の統合も検討すべきでしょう。ふれあい・いきいきサロンは成り立ちが異なりますし、市内213箇所もありますので、これはそのまま残し、すこやかサロン、介護予防教室、きてくれサロンは統合対象候補となり得るのではないかと考えます。
次に地域支援事業の中の包括的支援事業の内、新たに改正法で義務付けされた認知症初期集中支援チーム事業について考察してみます。
改正前の平成25年度、厚労省が全国14箇所をモデル事業として指定したことに端を発します。その趣旨は、認知症初期段階の高齢者とその家族を対象に選択し、主治医や関連する医療や福祉機関、包括支援センターの担当職員等でチームを組み、集中的に対応に当たるもので、それにより認知症の重症化を防ごうというものでした。
呉市は平成27年1月から、広島県認知症疾患医療センターに指定されているふたば病院に委託しました。同年度は県の財源をそっくり使え、今年度は呉市介護保険特別予算を計上、ほうゆう病院に2チーム目をこの10月から委託しましたので、年間750万円となっています。来年度は通年2チームになりますので、チーム当たり今年度並みの50人を対象とすると、1千万円規模に膨れ上がるでしょう。
問題は認知症初期段階ではなく、地域包括支援センターが関わった初期の高齢者を対象としているため、認知症がある程度進んだ方も含まれている点です。これでは多大な人件費を投入しても、効果がどの程度見込めるのか多いに疑問を感じており、今後追求して参る所存です。
大体、たった1人の認知症重症化を防ぐため、多大な人件費を割く、対症療法を義務化する国の法改正が気に入りません。認知症は年々増えつつあり、戦後食生活が大幅に変わったことを初め、よくよく根本原因を探求する必要があるでしょう。
最後に地域支援事業の中の一つ、任意事業です。
その中の一つである認知症カフェは、私は平成27年6月定例会一般質問で採り上げたことが実り、導入が実現しました。現在10箇所に増えているそうです。これは、認知症本人やそのご家族がお茶を飲みながら気軽に参加し、そこに介護資格等専門職に来て頂いて懇談する事業です。参加費は主催者によって異なりますが、300円程度徴収しているようです。1人参加する毎に、呉市から500円が補助されます。家族の理解向上もあり、生活上での不安解消に繋がる相談もできるので、効果はあるでしょう。
ところで来年度から呉市は、第7期介護保険事業計画を介護保険法に基づき策定致しますが、この認知症カフェやサロンの設置数の目標数を検討しておりませんでした。はやり計画策定にはデイサービスや施設介護同様、事業数やベッド数の数値目標を掲げるべきではないかと考えています。
また、介護予防教室を修了した高齢者を対象とした地域リハビリ活動支援事業があります。これを呉市では今年度から制度化させ、介護予防自主グループ活動支援事業と呼ぶことにしました。これも議会には全く説明はありませんでした。
つまり、介護予防教室を修了したら、自分1人で体力作りを自宅でできる人は皆無に近く、簡単な体操であっても長続きはしません。そこで、それら同好の士がグループを結成し、会費を募り、講師謝金と会場費の原資とするのです。これにグループに対し補助金を2千円交付します。これには人数がある程度集まらないと会費を高く設定せざるを得ず、会員が集まらないジレンマがあります。現在17グループ、講師謝金の平均は6千円、開場使用料平均は2千円、会費平均は450円、会員数平均は24名となっています。これまでの介護予防教室では無料だったのか、450円になる訳です。
実は17箇所の内、使用料規定のないさざなみ苑を会場に使用している音戸地区のグループだけは、無料使用できるのです。呉市が徴収しようとその気になれば、行政財産の目的使用許可ですので、それは可能ですが、さすがに総合ケアセンターと銘打ち合併前に建設した公共施設だけに、それは酷というものでしょう。しかも施設の設置目的にも合致しているからです。
そこで私は、このような介護予防に特化した自主グループを増やすためにも、呉市の一定の公共施設使用料を免除すべきと訴えて来ました。例えばすこやか子育て協会に登録kした子育て支援グループや、市民公益活動支援団体に登録した団体が公益活動を行う場合は、使用料が免除されているのです。それと同様の取り扱いをすればよいのです。不公平も合わせて解消できる寸法です。
尤も、介護予防教室そのものが、65歳以上なら誰でも参加できるように今年度呉市が位置付けたことで、今後はそちらに参加する人が増え、その修了者との位置付けがあるのか、今後調査が必要です。もしそれがなければ、この自主グループ活動も先に結成したことが空虚になり兼ねません。
以上、大きく4点の課題や問題点を指摘しました。私は来年度を目前に控え、これらの解決や改善に向け、引き続き精魂を傾けて参る所存です。