2023.9.4
この事件は、原告たる私が昨年2022年2月6日に、釧路発羽田行きAIRDO72便において、ノーマスクを理由に出航前に強制降機させられ、同社と釧路警察署を訴えていたものです。
反復継続中止及び降機命令の取り消しと、マスク未着用で航空機に搭乗できる権利の確認を求める訴えは、全て却下されました。「却下」とは、原告主張の土俵に敢えて踏み込まず、審理のテーブルに載せない水際防止対策ですが、これを「敗訴」と誤って報道するメディアも現れたのは驚きです。
1円の損害賠償請求のみが「棄却」として、退けられた格好ではあります。
私は、これらを不当判決として、即日控訴を表明したのです。
尚、判決は想定内で、過去の反コロナ関連訴訟は悉く却下されていますし、前回第3回口頭弁論で、原告の要請した証人尋問や証拠採用を全て認められなかったことから、容易に予想されていました。
ところで、判決の理由について、裁判所は5点を挙げています。
第一は、釧路警察署警察官の介入についてです。警察は民事不介入であり、警察署は北海道庁の一機関として、私法上の権利義務の帰属主体ではないから、訴えそのものが不適法であるとしています。
不介入と言いながらも、民事に介入したのは事実で、現実にAIRDOと共謀して、職権濫用を行っています。このことは刑事案件だから、民事訴訟では対象外とするなら、余りにも被害者を無視した判決です。警官の恫喝により、降機命令書が交付されていないにも関わらず、命令書を受けマスク着用に言及した原告。それに対し、民事に対する権限なき警官が不当に介入し、公務執行妨害逮捕をちらつかせ、強引に強制降機に誘導したのです。
第二は、結果的に航空機を原告らが自主的に降りたので、そもそも原告に訴えの利益がないという裁判所の主張です。
これは、降機しなければ逮捕が容易に予想されたので、降りざるを得なかったのです。CAも当初から「マスクを着けて頂かなければ降りて頂くことになりますよ」と言及しているのですから、被告に選択肢はなかったと言えます。これこそが強制降機なので、原告には逸失利益があったと言えます。
第三に、航空法第73条の4第5項による反復継続中止命令書の交付と、後日AIRDO草野晋社長が公開質問状への文書回答に応じた「AIRDO国内運送約款第14条第1項第3号に基づく降機命令」だとする二つの命令には、直接関連が認められないとしています。加えて、約款による命令は私契約なので、行政上の処分はなく、訴えは不適法であるとの裁判所の主張です。
これに対しては、法的に降機命令ができない状況下にあって、事実上の降機に誘導したこと。法的枠組みを超え、私契約を一方的に破棄し、降機命令をしたことそもののが、違法行為であったというのが原告の言い分です。
第四は、政府の新型コロナ基本的対処方針には当時、マスク着用が推奨されていたものの、現在に至っては、去る3月13日から「マスク着用は個人の判断」とされたため、マスク未着用で航空機に搭乗しても何ら問題なくなっているとしています。このため、今後は訴えが利益を得ることがないので、不適法とした点には驚きました。
当時、定期航空協会のガイドラインに基づき、マスク未着用者を搭乗から排除する行為そのものが、そもそも違法行為だった訳です。それにより、原告は東京でのアポイントを全てキャンセルさせられ、且つ社会的信用を失墜し、大きな不利益を被ったのです。
第五として、民法第715条の法人による使用者責任は、原告が被雇用者たるCAや機長、基地長代行等個人、即ち、民法709条の被雇用者の不法行為を訴えていないため、追求できないと明言したことです。
確かに第2回口頭弁論時、裁判長から原告に対して、「個人を訴えているのか、法人を訴えているのか?」と質問がありました。原告は、「個人が憎いのではなく、使用者責任のあるAIRDOや釧路警察署を訴えている」と答弁。但し、この発言の背後には、絡まれたCAや空港職員、それを指揮した機長や基地長代行、そして警察官全体を含めて、使用者責任を問うているのであって、個人を訴えなかったからといって、使用者責任を追及できないことはないと考えます。
直後に開催された記者会見においても、控訴審から代理人を務めることになった、東京弁護士会所属の桜井康統(やすのり)弁護士は、控訴審を戦うには、「民法に戦場を移す」と言明されました。即ち棄却された損害賠償請求に照準を合わせるとのことです。
因みに彼自身も、昨年11月に屋久島発伊丹行きJAL便で、ノーマスクを理由に強制降機させられ、今年2月に提訴して現在審理中です。この時も私や一緒に降機させらた反ジャーナリスト高橋清隆氏同様、CAにしつこく絡まれ、あげくの果ては1時間程出航が遅れた時点で、警察官3人に取り囲まれ、自主的に降機させられています。
これはそれしか選択肢がなかったとして、事実上の強制降機と捉えており、CAも被告にしているのです。更に、ノーマスク者が強制降機させられる事件が多発していたにも関わらず、国土交通省は適切な対応を採らなかったとして、国をも訴えているのです。
今後は、ノーマスク故に差別や人権侵害を受けている全国の被害者、コロナの茶番に気付き戦っておられる同志を代表して、桜井弁護士と共に戦って行きます。併せて、国家の間違った感染症対策、マスク推奨策をも糺して参る所存です。
歴史的大勝利を目指し、引き続きノーマスク搭乗基金へのご寄付と併せ、皆様のご指導、ご支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。