カープ公式戦誘致の手法に議会軽視の姿勢が!
Facebook 2016.4.19
丁度、先週4月12日(火)に呉市二河球場において、カープ対ドラゴンズ戦があり、3-1でカープが勝ち、1万5千人の観衆と共に、呉市全体が大いに盛り上がったところです。カープ戦誘致について、反対する市民は先ずいないでしょう。
さてそうは言っても、昨年は呉市でカープ戦は行われませんでした。何故毎年開催しないのかとの疑問を、市民の皆様はお持ちと思います。
実はカープ公式試合の内、セントラルリーグにおいて、当然地元主催試合の割り当てがあります。その中で集客力が最もあり、興行収益が最大なのは、ホームグランドのマツダスタジアムというのは、言うまでもありません。従ってカープ球団の方針としては、広島県内開催数は、マツダスタジアムを除き、年間僅か2試合しかないのです。その2試合を、我が呉市と尾道市、三次市が手を挙げ、分け合っているのが実情です。そのローテーションの谷間が昨年度に当たり、呉市で試合が行われなかったという訳なのです。因みに、今年度は、尾道市で開催が見送られました。
そこで呉市としては、カープ球団に対し、粘り強く毎年度試合開催を要望しております。また市議会からも、カープ戦の誘致が叶わない年度に、カープ2軍戦を誘致したらどうかとの提案が出され、併せて要望するということです。
一方、カープ戦の主催者は、呉市プロ野球公式戦開催実行委員会と広島東洋カープの共催で、実行委員長を呉市長が、副委員長を呉商工会議所会頭と呉市議会議長が務め、後はスポーツ団体や自治会連合会等60団体の代表で委員を構成しております。事務局は呉市と商工会議所が務め、この2団体が毎年度50万円ずつを負担しています。11月には翌年度の公式試合日程が確定し、呉市で行われる年は、年が明けて1月に一度だけ総会を開き、誘致試合の予算、前回開催の決算を承認する段取りです。
さてこの度は、1万枚が実行委員会としての販売割り当てとなり、その内1,200枚の指定席券、500枚の自由席券を市役所8階に設置したチケット販売所で3月7日から販売開始しました。初日は200人の列が並び、指定席券は残り70枚しかなく、翌日完売となりました。カープは前田健太、「マエケン」が今年から不在なのにも関わらず、あっという間に前売り券、即ち「マエケン」完売とは、黒田・新井効果もあって凄い人気です。因みに、残り8,300枚は、中国新聞販売店やスポーツ店に振り分けられます。
実は、この販売開始日である3月7日が問題です。当然ポスターやチケット印刷、販売員雇用に係る費用は、商工会議所と呉市からの負担金が原資となるはずですが、その時点では、まだ呉市で予算が可決されていないのです。つまり、「議会はどうせ本予算に反対はしないだろう、実行副委員長は議会の代表者であるし・・・」と、甘い見方が行政執行部内にあると言われても仕方ないでしょう。つまり、議会軽視の何者でもありません。
そう言えば、以前カープ戦誘致は呉市ではなく、民間地元企業を中心とした後援会が行っており、呉市の支援策は、二河球場使用料の免除と当時五番町小学校や片山小学校を臨時駐車場として無償提供することでした。ところが、それでも負担が大きいとの理由で、後援会として誘致を断念し、しばらくカープ公式戦が呉市内で休止状態が続いていたのです。
その後現市長体制になった際、商工会議所と手を組んで、誘致を復活させました。平成19年のことです。その時まだ議会に対し、予算計上もしていない段階で、市長がいきなり記者発表した経緯があり、復活当初からいわく付きのカープ戦誘致なのです。カープ戦誘致を表明した後に、実行委員会への負担金が議会に対し、市長から予算計上されたのです。つまり、その時も議会の存在は完全に無視されました。
この手法に対し物申したのは、今回もそうですが、私だけだったのです。予算は議会が認めないと行政は執行できません。それが行政と議会が馴れ合いになれば、議会は市長のイエスマンと化し、それは行政に対し、市民のチェック機能が果たせないことと同義です。 私はこの度の新年度予算案採決直前の討論で、はっきりこの問題点を指摘致しました。その後担当部署に対し、カープ戦誘致においては、11月に決まるのだから、12月に議会に補正予算案を提出し、その議決を待って1月に総会を開き、実行委員会としての予算を可決すべきと要請しました。その際呉市予算は翌年度に繰り越しますから、繰越明許費として設定すれば良い訳です。当局としては検討することを約束しました。